Udemyを最強の名刺に!月収100万円を達成するための収益化ロードマップ【企業研修編】

こんにちは、はじめまして。天元です。

大学1年生で起業してから10年以上、統計学やプログラミングなどを教えることを仕事にしてきました。今では4万人以上の方に教え、売上3000億を超える大企業で研修をしたり、社会貢献のために無料の学習塾を運営したりしています。

とにかく学ぶことが好きで、月に30冊以上の本や論文を読み、趣味で宅建士の資格を取ったり、最近では心理学を学んで「科学的に幸せな状態とは何か」を探求したりしています。

僕がこの本を書いた理由はシンプルです。これまで、才能や情熱、そして素晴らしい努力をしているにもかかわらず、なかなか結果が出ずに苦しんでいる人をたくさん見てきたからです。どうしても解決策が必要なのに良い方法が見つからない時、人は効果のないものにさえすがってしまいます。

彼らの多くは、まるで押しても開かないドアを、ただひたすら押し続けているかのようでした。その努力は尊敬すべきものですが、向かう先が定まっていなければ、残念ながら成果には結びつきません。なぜなら、経済的な成功は、何を知っているかよりも、どう振る舞うかが重要な「ソフトスキル」の問題だからです。これは物理学のように公式があるものではなく、複雑で測定が難しい人間の心理や行動が大きく関わっているのです。

この本では、僕が体系化した「ビジネスの本質」に基づいた収益化ロードマップを、あなたに共有します。小手先のテクニックではありません。あなたの人生を変えるかもしれない、本質的な稼ぎ方です。

第1章:なぜ、あなたは「稼ぎたい」のか?

このロードマップを始める前に、一つだけあなたに問いたいことがあります。なぜ、あなたは「稼ぎたい」のでしょうか?お金そのものが、本当に欲しいものですか?

あなたが本当に欲しいもの

多くの人が「稼ぎたい」という願いの裏には、お金への渇望だけではない、もっと深い動機が隠されています。それは、「自分の力で価値を生み出し、社会と繋がっているという実感」そして「自分に自信を持って、胸を張って生きること」ではないでしょうか。

面白いことに、この「稼ぐ目的」は、行動する中で変化し、成長していきます。最初は「自分のため」だった目的が、お客様からの「ありがとう」という言葉をいただくうちに、「もっとこの人の役に立ちたい」に変わり、やがて「自分と同じように悩んでいる多くの人々の力になりたい」という、より大きな目的へと進化していくのです。

まずは、今のあなたが心から望むものを、素直に見つめることから始めましょう。

あなたの「稼ぎたい」の先にあるもの

僕自身の話をすると、僕にとって最高の幸せは「家族と暖かい家で温かいご飯を食べること」です。そして、次の世代の子供たちがより良い環境で学べるようにと、無料の学習塾を運営しています。これは一見、非常に「社会性の高い」目的に見えるかもしれません。

でも、僕にとってはこれも究極の私的な理由です。子供たちが学ぶ姿を見るのが好きで、その場所を自分の手で作りたい。ただ、そうしたいからやっているだけなのです。

稼ぐ目的は、誰かに評価されるような立派なものである必要はありません。

  • 子供に「おかえり」と言ってあげられる、在宅という働き方を手に入れたい。
  • 値段を気にせず、家族と美味しいものを食べに行ける、ささやかな幸せを守りたい。
  • 「私にもできるんだ」という、誰にも奪われない揺ぎない自信が欲しい。

どんな理由でも、それがあなたの心からの願いであるならば、素晴らしい目的です。この「なぜ?」こそが、あなたが困難に直面した時、あなたを支える最も強いエネルギーになります。

第2章:行動を変える、ただ一つの方法

目的が明確になったら、次に行動です。しかし、多くの人はここでつまずく。なぜなら、行動を変えるには、まず「考え方」を変える必要があるからです。

知識は、あなたを守る武器になる

独学で頑張る多くの人が、専門用語やビジネスの常識の前に心を折られてしまいます。でも、覚えておいてください。「知らない言葉を聞いて分からないのは当たり前。あなたが劣っているからじゃない。ただ、その言葉の意味を知らないだけなんだ。知識は、自分を守り、世界を広げるための武器になるんだよ」と。

例えば、「マーケティング」という言葉も、「お客様に喜んでもらって、自然と商品が売れていく仕組みを作ることだよ」と翻訳するだけで、景色は全く違って見えます。知識がないと、私たちは物事を正しく思考することすらできません。この本が、あなたにとって世界を広げる「武器」の一つになることを願っています。

第3章:稼ぐための全戦略図 〜ゴールから逆算する最短ルート〜

多くの人はUdemyで「月〇〇円稼ぐ」ことをゴールにしがちですが、それは本当にもったいない。本当のゴールは、その先にある高単価な仕事です。この「ゴールから逆算する」思考こそ、ビジネスの基本です。闇雲に目の前の山を登るのではなく、まず頂上(ゴール)を見据え、そこから最短ルートを探す。この視点を持つだけで、あなたの努力は決して無駄にならなくなります。

【ゴール】年に数回の企業研修を軸に、月100万円以上の安定収入を実現する(1案件 100万〜300万円)【ステップ3】Udemyでの実績を武器に、高単価な「企業研修」という商品で稼ぐ (SNSやWebサイトで「Udemyベストセラー講師」として自分を売り込み、企業に直接アプローチする) ↑ 【ステップ2】Udemyを「足掛かり」に、「ベストセラー」という最強の信頼資産を作る (Udemyでの収益は目的とせず、ファンと信頼を積み重ねることに集中する) ↑ 【ステップ1】「最強の名刺」となるUdemyコースを戦略的に作成する (「お金を払ってでも学びたい」と思われるジャンルを選び、競合と戦わない「差別化戦略」でコースを設計する)

この戦略図に沿って、あなたの未来を切り開く「最強の名刺」の作り方から解説していきましょう。

第4章:「最強の名刺」(Udemyコース)の作り方

ここでの目的は、自己満足の作品を作ることではありません。未来の大きな仕事に繋げるための「戦略的な商品」を効率的に作ることです。

企業研修に繋がる「売れるジャンル」の見つけ方

この戦略の根幹は、「最終的に企業がお金を払ってでも社員に受けさせたい内容か?」という視点です。Udemyはその先の企業研修というゴールへの足掛かり。最初のジャンル選定がすべてを決めます。

例えば、「AI活用術」のようなテーマは、多くの企業にとって「業務に直結し、会社の利益に貢献するスキル」です。もしあなたが趣味のタロット占いを教えても、素晴らしいコースは作れますが、企業研修には繋がりにくいでしょう。あなたの「好き」や「得意」を、「企業が求めるスキル」というフィルターを通して、慎重にテーマを選んでください。

僕が教える「戦わない」差別化戦略

ビジネスで最もやってはいけないのは、不毛な争いをすることです。特に価格競争は、自社も競合も疲弊させ、最終的にはお客様まで不幸にする、誰も幸せにならない戦いです。

僕が教えるのは、この「戦わない」ための差別化戦略です。私たちのような個人が、すでに成功者がいる市場で勝つための唯一の方法でもあります。

人気コースから学ぶ「勝てる」戦略

では、どうすれば「戦わない」で勝てるのか。それは、競合を「倒すべき敵」ではなく「教えてくれる先生」と見ることです。成功している人気コースを徹底的に分析し、特に「低評価レビュー」に注目するのです。

そこには「何が足りなかったのか」という、お客様のリアルな声が詰まっています。「専門用語が多すぎてついていけなかった」というレビューがあれば、あなたは「日本一わかりやすい〇〇入門」というコースを作ればいい。それは、人気コースと戦うのではなく、人気コースが取りこぼしたお客様を、あなたが優しく救いに行くということです。これこそが「戦わない差別化戦略」です。

たった一人の「理想のお客様」を物語の主人公にする

次に、「誰の、どんな悩みを解決するのか」を具体的にします。「AIに興味がある人」といった漠然としたターゲットでは、誰の心にも響きません。お客様を「あなたのコースという物語の主人公」として、生き生きと思い描いてみましょう。ストーリーは、経済の燃料にもなれば、ブレーキにもなるからです。

ペルソナ設定に苦労する人は多いです。そこで僕が推奨するのは、過去の自分が悩んでいた姿などを投影させ、「34歳、中小企業の事務職、鈴木さん」というような、一人の人間を創り上げることです。日々の業務にやりがいを感じられず、スキルアップに焦りながらも、何から手をつけていいか分からない…そんな彼女が、コースを通じてどう笑顔を取り戻していくのか。

この「物語」を思い描きながらコースを作ることで、言葉に心が込もり、まだ見ぬ未来のお客様に想いが届くようになります。

時間をかけない「効率的な」コンテンツ作成術

コース作成は、完璧を目指すと永遠に終わりません。大切なのは、まず完成させること。

最低限の投資として、1万円前後のUSBマイクだけは用意してください。音声の質は、レストランでのお皿の清潔さと同じくらい重要です。逆に、動画編集に凝る必要はありません。「分かりやすさ」と「聞き取りやすさ」に集中しましょう。

「60点の完成度で世に出し、受講生の声を聞きながら100点に育てていく」。この気持ちが大切です。お客様からのフィードバックこそが、あなたのコースを磨き上げる最高の砥石なのです。

第5章:Udemyを「足掛かり」に、最強の信頼資産を作る

名刺が完成したら、次はその名刺に「ベストセラー講師」という箔をつけるフェーズです。ここでの目的は、Udemyで稼ぐことではありません。未来のあなたを助ける「客観的な実績」「信頼」という名の資産を手に入れることです。

信頼を勝ち取るためのレビュー獲得戦略

公開直後のレビューがないコースは、誰もいないお店と同じです。だからこそ、最初のレビュー獲得が最重要ミッションになります。

友人や知人にお願いして、「無料クーポン」で受講してもらい、正直なレビューを書いてもらうのは有効な第一歩です。しかし、本当の信頼資産となるのは、熱量の高い「オーガニックレビュー」です。

そのためには、コース内のQ&Aセクションで受講生の質問に丁寧に、そして迅速に回答したり、役立つ追加情報をアナウンス機能で定期的に発信するなど、受講生との積極的なコミュニケーションが不可欠です。「この講師は信頼できる」「受講して終わり、ではないんだ」と感じてもらうことが、質の高いレビューに繋がり、未来の受講生を呼び込む好循環を生み出します。

「数字」を「物語」に変え、権威性を築く

「受講生1000人突破!」という数字も大切ですが、それだけでは人の心は動きません。本当の信頼を勝ち取るのは、その数字の裏にある「物語」です。

受講生から届いた感謝のメッセージや、「コースのおかげで仕事がうまくいくようになりました!」といった具体的な成功事例を、許可を得てSNSやブログで紹介しましょう。一人の受講生のサクセスストーリーは、他の何百人もの潜在的なお客様にとって、自分自身の未来を投影する鏡となります。

さらに、「Udemyベストセラー」という実績を武器に、外部での権威性を築いていくことも重要です。関連分野のウェブメディアに寄稿したり、他の発信者と対談したり、小規模なウェビナーに登壇したりするのです。「Udemyで評価されている専門家」として外部の世界に登場することで、あなたの信頼性は飛躍的に高まります。

僕が教える「錯覚資産」という考え方

ここで、僕が非常に重要だと考えている「錯覚資産」という概念についてお話しします。これは、「人は、何か一つで優れた実績を持つ人を見ると、他のことについても優秀だろう、と無意識に錯覚してしまう」という心理効果です。

「Udemyベストセラー講師」というラベルは、まさに強力な錯資産になります。このラベルがあるだけで、「この人は多くの人に支持される実力がある専門家なんだ」と、一瞬で相手に信頼してもらえるようになるのです。

「錯覚資産」を誠実に使うということ

ただし、この「錯覚資産」は、使い方を間違えると諸刃の剣になります。これは相手を騙すためではなく、自分の実力を分かりやすく、適切に伝えるために使うものです。中身が伴っていないのにラベルだけを振りかざしていると、いつか必ずメッキは剥がれます。常に学び続け、そのラベルにふさわしい実力を身につける努力を怠ってはいけないのです。

Udemyは「利益」ではなく「信頼」を積み上げる場所

この「錯資産」を理解すれば、Udemyで本当にすべきことが見えてきます。セール時の利益はわずかでも、あなたの「受講生数」と「高評価レビュー」は着実に増えていきます。これこそがお金以上に価値のある資産。「数百人、数千人が学んだ」という事実が、あなたの信頼を雄弁に物語り、錯資産を大きく育ててくれるのです。

第6章:【企業研修編】高単価案件を獲得し、ビジネスを飛躍させる方法

Udemyで「ベストセラー」という最強の名刺を手に入れたあなたへ。ここからが、本当の挑戦の始まりです。

最初の「実績」が、未来の扉を開く

企業研修の世界には「実績の壁」が立ちはだかります。企業、特に大企業は「失敗できない」ため、実績のない人には仕事を依頼しません。

では、どうすればいいのか?答えは「自分で卵を産む」ことです。つまり、「最初は売上を度外視してでも、実績を作る」

地元の小さな会社や知人の店に、「Udemyでベストセラーになったコンテンツです。御社の研修用に無料で提供させてください。その代わり、推薦の言葉をいただけませんか?」と提案するのです。10社に声をかけて1社でも応じてくれれば大成功。そこで得られる「企業研修実績 第1号」こそが、未来の扉を開く魔法の鍵になります。

企業研修の仕事は、どうやって見つけるの?具体的な集客方法

鍵を手に入れたら、本格的に仕事を探し始めます。アプローチは大きく3つ。これらを組み合わせるのが成功への近道です。

1. 直接アプローチ(攻めの集客)で、本音を届ける

これは、あなたが「この会社で研修をしたい」と思う企業に、直接自分を売り込む、最もパワフルな方法です。しかし、ただメールを送るだけではその他大勢に埋もれてしまいます。成功の鍵は、徹底したリサーチと、心を動かす「手紙」を書くことです。

まず、企業のウェブサイトやプレスリリースを隅々まで読み込み、その会社が今何に力を入れ、どんな課題を抱えているのかを深く理解します。そして、「なぜ、他の誰でもなく、私があなたの会社で研修をしたいのか」を、あなた自身の「本音」で伝えるのです。「御社の『〇〇』という理念に深く感銘を受けました。Udemyで培った私の△△というスキルは、必ずや御社の□□という課題解決に貢献できると確信しております」といったように、相手への深い理解と共感、そして具体的な貢献策を盛り込むことで、それは単なる営業メールではなく、あなたにしか書けない「手紙」に変わります。100通送って1件返信があれば上出来、という世界ですが、その1件はあなたの本気に響いてくれた、運命の出会いになるはずです。

2. コンテンツ発信(待ちの集客)で、専門家としての磁力を高める

これは、SNSやブログで有益な情報を発信し続け、「あなたにお願いしたい」というお客様を引き寄せる、長期的な戦略です。重要なのは、Udemyの受講生(個人)向けと、未来の企業クライアント(法人)向け、両方の視点を持つことです。

個人向けには、すぐに役立つノウハウやTIPSを発信してファンを増やします。一方で、法人向けには、「業界の最新動向と、それに対応するための人材育成の重要性」や「〇〇スキルがもたらす生産性向上の具体例」といった、より経営的な視点からの情報発信を増やしていきます。

このプロセスは、まさに試行錯誤の連続です。何が当たるかは、やってみないと分かりません。様々な発信を試し、反応を見ながら、あなただけの「勝ちパターン」を見つけていく。そのプロセス自体が、あなたを単なる「Udemy講師」から、業界の動向を見据える「専門家」へと成長させてくれるはずです。

3. 紹介・口コミ(繋がりからの集客)で、信頼の輪を広げる

最も確実で、成約率も高い王道の方法です。紹介を生む秘訣はシンプル。「目の前のお客様の期待を、常に120%超え続けること」です。

これは、単に研修内容が良い、というだけではありません。研修前のヒアリングでは、担当者ですら言語化できていなかった潜在的な課題を、あなたの専門的な視点から引き出してあげる。研修後には、参加者のアンケート結果をまとめるだけでなく、「特に〇〇さんが△△という点で素晴らしい成長を見せていました」といったポジティブな観察結果を添えたフィードバックをサプライズで提出する。そして1ヶ月後、「研修内容はその後の業務で活かされていますか?」と一本気遣いの連絡を入れる。

こうした、相手の想像を少しだけ超える「おもてなしの心」が、「この人になら安心して任せられる」「この人を他の人にも紹介したい」という深い感動と信頼を生み、自然な形で紹介の輪が広がっていくのです。

月100万円以上を達成するための具体的なアクションと計算

では、最終ゴールである月収100万円を達成するための、具体的な収益モデルを見てみましょう。これは、あなたが専門家としての地位を確立した後の、一つの到達点です。

  • Udemyからの安定収入:月5万円(これはあなたの活動の基盤であり、広告塔です)
  • 企業研修の単価:1件 200万円

この高単価な研修を、年に6回(2ヶ月に1回)行うことを目指します。 すると、年間の収益は以下のようになります。

  • 企業研修:200万円 × 6回 = 1,200万円
  • Udemy収入:5万円 × 12ヶ月 = 60万円
  • 年間合計:1,260万円

これを12ヶ月で割ると、月収は105万円となります。

どうでしょうか。Udemyだけでこの金額を目指すのは非常に困難ですが、Udemyを「最強の名刺」として活用し、高単価な企業研修に繋げることで、月収100万円という目標は決して夢物語ではなく、現実的な射程圏内に入ってくるのです。もちろん、これは簡単な道のりではありません。しかし、このロードマップに沿って一つずつステップをクリアしていけば、必ず到達できる未来です。

第7章:企業研修への架け橋 〜「価値」を伝え、高単価案件を獲得する技術〜

Udemyで実績を積んだあなたが次に直面するのは、「どうすれば企業に自分の価値を伝え、高単価な契約を結べるのか?」という壁です。ここには、個人向けのコース販売とは全く異なる、BtoB特有の心理と技術が存在します。

「講師」から「コンサルタント」へ。マインドセットを切り替える

企業が研修にお金を払うのは、「学習」のためではありません。「課題解決」のためです。彼らは「AIの使い方を教えてくれる人」を探しているのではなく、「AIを使って我が社の業務効率を上げ、利益を増やしてくれるパートナー」を探しているのです。

ですから、あなたは自分を単なる「講師」と位置づけてはいけません。相手のビジネス課題を深く理解し、その解決策として研修を提案する「コンサルタント」としてのマインドセットが不可欠です。この視点の転換が、あなたの提案の価値を何倍にも高めます。

「提案」の前に「傾聴」あり。ヒアリングで真の課題を引き出す

高単価案件を獲得できるかどうかは、最初のヒアリング(商談)で9割決まります。ここでやってはいけないのが、いきなり自分のコースや実績を売り込むこと。最も重要なのは、相手の話を徹底的に聴き、質問を重ねることで、彼ら自身も気づいていない「真の課題」を浮き彫りにすることです。

「現在、どのようなことでお困りですか?」「その課題が解決されると、会社にとってどのようなメリットがありますか?」「なぜ、今その研修が必要だとお考えですか?」こうした質問を通して、相手のビジネスの深い部分に寄り添う。そうすることで、相手はあなたを「売り込みに来た業者」ではなく、「自分たちのことを真剣に考えてくれるパートナー」だと認識し始めます。

解決策としての「提案書」を作成する

ヒアリングで引き出した課題に対し、あなたは「解決策」としての提案書を作成します。提案書に書くべきは、コースのカリキュラムだけではありません。

  • 現状の課題の再確認:「御社は現在、〇〇という課題を抱えていらっしゃいます」
  • 研修がもたらす未来:「本研修を受講することで、△△という状態を実現します」
  • 具体的な解決策:「そのために、□□という内容の研修を実施します」
  • 投資対効果(ROI):「この研修への投資は、長期的には人件費削減や売上向上といった形で回収が見込めます」

このように、あなたの研修が相手のビジネスにどのようなポジティブな変化をもたらすのかを、論理的に、そして情熱的に示すことが重要です。

自信を持って価格を提示する

最後に、価格です。Udemyの価格に慣れていると、数十万円、数百万円という金額を提示することに怖気づいてしまうかもしれません。しかし、思い出してください。あなたは時間を切り売りしているのではなく、相手のビジネス課題を解決する「価値」を提供しているのです。

その価値に見合った対価を、自信を持って提示してください。価格の根拠を尋ねられたら、「この研修は、御社の課題に合わせて完全にカスタマイズしたものであり、〇〇という成果をもたらすための専門知識と準備に、これだけの時間と労力を投下するからです」と堂々と答えましょう。あなたの自信が、相手の信頼を勝ち取るのです。

第8章:すべてを支える「ビジネスの基礎」とマインドセット

僕が伝えるノウハウの根底には、僕自身が最も大切にしている「ビジネスの基礎」があります。

ビジネスの主役は、常にお客様

多くの人は、「どうすれば稼げるか」と自分のことばかり考えてしまいます。しかし、ビジネスの主役は常にお客様です。「相手が本当に求めているものは何かを考え、その解決策として自分のスキルを提案する」。この視点を持つだけで、努力は空回りしなくなります。

幸せなビジネスの作り方

僕は「ビジネスには道徳が必要だ」と固く信じています。相手を煽ったり騙したりする方法は、短期的には儲かっても絶対に長続きしない。何より、そんなやり方で得たお金で、自分の子供や両親に胸を張れるでしょうか?

何か問題が起きても、相手を責めない。「問題が起きたのは、自分に至らない点があったからだ」と、まず自分を見つめ直す。そうして自分の内面を整え、誠実にお客様と向き合うと、不思議と周りには誠実で素敵な人たちが集まってきます。「良い人の周りには、良い人しかいない。自分がより良い人間にならなければ、本当に良い人たちとは出会えないんだよ」と、僕はクライアントにも伝えています。

道徳と経済の両輪を回す

ただし、「道徳だけではダメだ」とも思っています。僕が大切にしている言葉に、「道徳なき経済は罪悪なり、経済なき道徳は戯言である」というものがあります。

道徳心なくお金を稼ぐのは罪ですが、経済力がなければ道徳を語っても綺麗事に過ぎません。経済力がなければ、家族や守りたいものを適切に守ることは難しい。だからこそ、私たちは誠実な心(道徳)と、しっかりと稼ぐ力(経済)の両輪を回していく必要があるのです。

裕福であり続けることの難しさ

裕福になる以上に、裕福であり続けることは難しい。これは歴史が証明しています。そして、裕福であり続けるためには、経済的に破綻しないことを目指す必要があります。

あらゆる計画で最も重要なのは、計画通りに進まない可能性を踏まえて計画することです。未来は予測できず、想像もできないサプライズに満ちています。市場の変動や予期せぬトラブルは、「罰金」ではなく、将来の利益を得るために支払うべき「手数料」と考える。この視点が、長期的な成功の鍵となります。

長期的に稼ぐための「リスク分散」という考え方

そしてもう一つ、長期的にビジネスを続けるために不可欠なのが「リスク分散」の視点です。

ロスチャイルド家が5人の息子をヨーロッパの主要都市に送り込み、それぞれで事業をさせた話は有名です。「5本の矢は一本一本バラバラにせよ」という教えの通り、一本の矢が折れても、他の四本の矢が残っていれば、家全体としては安泰です。ビジネスも同じで、一つの収入源に依存するのは非常に危険なのです。

この本で提唱している戦略も、まさにこのリスク分散に基づいています。Udemy、企業研修、そして将来的にはコンサルティングなど、複数の矢を持つことで、一つの事業が不調になっても安定を保てます。

そして、ここが重要なのですが、多くの人は短期的な利益を追い求めます。しかし、リスクを最小限に抑え、長期的に継続して利益を得る、という視点を持つ人は驚くほど少ない。だからこそ、この土俵は競合が少なく、戦いやすいのです。派手さはありませんが、着実に、そして長く生き残るための最も賢い戦略だと、僕は信じています。

第9章:ビジネスの土台となる、プライベートの整え方

ビジネスを始めるにあたり、「プライベートとの両-立」に不安を感じる人は少なくありません。

あなたの人生が、すべての土台になる

ビジネスを大きな木に例えるなら、あなたのプライベートな生活や人間関係はその根っこです。根っこがしっかりしていない木は、少しの嵐で倒れてしまう。ビジネスを成功させたいなら、何よりもまず自分自身の人生という土台を大切にしなければなりません。目に見える幹や葉(仕事やお金)に気を取られがちですが、本当に大切なのは目に見えない根っこの部分です。

周囲の理解と応援を得るための、シンプルな方法

周囲の理解を得る方法はシンプルです。「言葉で伝えること」そして「行動で示すこと」

「なぜこのビジネスを始めたいのか」を、正直な気持ちで周囲の人に伝えましょう。「社会と繋がりたい」「自信を持ちたい」「もっと色々な経験をしたい」と。そして何より、ビジネスを始めてからの方が、毎日が楽しそうで、周りの人を今まで以上に大切にしている、その「行動」を見せるのです。その日々の積み重ねが、周囲の人を「一番の応援団」に変えるのです。

「時間がない」を乗り越える、時間管理術

「忙しくて時間がない」と感じるのは、当然のことです。しかし、それは「時間がない」のではなく、「時間の使い方が、今の生活に最適化されているだけ」なのです。

日々のタスクを効率的にこなす能力は、すでに素晴らしい時間管理術です。その能力を、「ビジネスの時間を作り出す」という新しい目的に向けて使ってみるのです。朝の30分、移動中の15分。小さな工夫の積み重ねが、大きな時間を生み出します。あなたには、すでに時間管理の能力が備わっているのです。

メンターという「第三の目」を持つ重要性

ここで、僕自身の辛い経験から学んだ、極めて重要なことをお伝えします。それは、信頼できるメンターを持つことの重要性です。

起業してからの5年間、僕は利益が月5万円程度しかない中で、遊ぶ時間も友人と会う時間も全て犠牲にして仕事に没頭していました。「これだけ勉強しているのになぜ結果が出ないんだ」と、未来への不安だけが募る毎日。未来のために「今」を完全に捧げていたのです。

もちろん、あの時の自分がいたからこそ今の自分がある、という側面は否定しません。しかし、今振り返って思うのは、「あまりにもバランスが悪かった」ということです。自分一人で突き進んでいると、視野が狭くなり、客観的な判断ができなくなります。

そんな時、あなたの状況を客観的に見て、「少し休みが必要じゃないか?」「その方向性は少し違うかもしれない」とアドバイスをくれるメンター、つまり「第三の目」の存在が、あなたを正しい道に導き、燃え尽きることから守ってくれるのです。

第10章:すべてを支える「自分だけの幸せ」を見つける方法

最後に、この本で最も大切なことをお伝えします。それは、結局、私たちは「自分が幸せになる」ために行動しているという事実です。

成功するから幸せ、ではなく、幸せだから成功する

心理学の研究では、「成功する人が幸せなのではなく、幸せな人が成功する」ことが分かっています。「お金持ちになったら幸せになれる」のではなく、今の自分に幸せを感じている人ほど、物事に前向きに取り組め、結果的に成功しやすいのです。だからこそ、成功を追い求める前に、まず「自分にとっての幸せとは何か」を知ることが大切です。

本当の豊かさとは何か

では、私たちを幸せにする「豊かさ」とは何でしょうか。それは、高級車やブランド品のことではありません。

最高の豊かさとは、「今日も思い通りに、好きなように過ごそう」と思えることです。つまり、自分の人生を自分でコントロールしている感覚。これこそがお金から得られる最高の配当であり、何よりも人の幸福感を高める要因なのです。好きな時に、好きな人と、好きなことができる生活。モノではなく、時間こそが人生を幸せに導くのです。

「十分だ」という感覚を持つ

幸福とは、結果から期待値を差し引いたものです。努力して結果を手に入れても、それに合わせて求める基準(期待値)も上がり続けるなら、いつまでも満足は得られません。

だからこそ、富の比較ゲームに参加してはいけないのです。上には常に上がいます。大切なのは「十分だ」という感覚を持つこと。不要なものを得るために、あなたが既に持っている大切なもの(評判、自由、家族など)を危険に晒すことほど、無意味なことはありません。

「自分だけの戒律」があなたを不幸から守る

では、どうすれば「自分だけの幸せ」を守れるのか。そのヒントとして、僕が実践している「自分だけの戒律(ルール)を決める」という方法を紹介します。これは、自分が「心がモヤモヤする」と感じた時に、その原因を突き止め、「その行動は二度としない」と決めることです。

僕自身の辛い過去、つまり、未来のために「今」を犠牲にし続けたあの日々があったからこそ、この戒律が生まれました。

  • 「忙しくても運動する時間、睡眠時間を確保する」
  • 「何事も頑張りすぎず、心に余裕を持ち、無理しない」
  • 「未来のために時間を使いすぎず、今この瞬間を生きる」

あなたを不幸にする行動を特定し、それを避ける「戒律」を作ることで、自分自身を幸せな状態に保つことができるのです。

最後に

このロードマップは、僕が10年以上の経験で見てきた、多くの人が壁を乗り越えるために作った、一つの地図です。そして今、出口の見えないトンネルの中にいるかもしれない「あなた」に、この地図を贈ります。

覚えておいてほしいのは、何事も見かけほど良くも悪くももないということです。物事がうまくいっているときには慎重に、うまくいかないときには寛容になること。そして、未来に楽観的であること。たとえ途中で不運に見舞われたとしても、長期的に見れば物事は自分が望む方向に進むと信じるのです。

真の成功とは、ラットレースから抜け出して、心の平穏のために生きることだと僕は考えています。

完璧じゃなくていい。まずは一歩を踏み出すこと。そして、常にお客様のことを第一に考え、改善を続けること。その先に、あなたが心から望む未来が待っていると、僕は信じています。

このロードマップが、あなたの人生を変える一歩となれば、これほど嬉しいことはありません。応援しています!